子どもがオタクに育つと春コミの日には

子どもと呼ぶのには、もう育ちすぎてしまった我が家の同居娘二人。

ゲームやネットについてほとんど全く規制せずに育てたら気がついた時には立派なオタクになっていた。オタクといっても女子なのでフィギュアをいっぱい買うような男士とはちょっと違う。

なぜかコスプレをするようになって、私の古いミシンを持ち出してガタガタと衣装を縫うようになっていた。

そしてイベントに出るようになり、オタク界の掟を学んでいったというわけだ。

(オタクな親としては「仲間」として話が通じるので、それが何よりありがたい。)

文章よりもデザインが得意な上の娘は、仕事としても切り絵デザインのハンドクラフトを作っているので、ゲームキャラクターイメージの雑貨を作るようになった。
ディスレクシアなのに本が大好きな下の娘は、小学生の頃から「小説」と称するものを書き散らしていたが、この頃は「薄い本」を書いて売るようになった。

年季の入ったオタクになった娘二人が同居しているとどうなるか。

幸いにも消費側ではなく販売側になっているので、お財布的にはそれほど心配がないのがありがたいのだが、大きなイベントの前には家が修羅場になる。経験されている方も多いだろう。

そして、イベント前には、次のイベントには何を出そう?何を作ろう?何を書こう? 発注はいつ?安く発注する締め切り過ぎてしまった!。作品のパーツがつくのは何日だから、いやこれじゃ間に合わない! できたよ。かわいいね! これは人気があるかも。まだ時間に余裕があるからこっちも作ろうかな。もう一冊書けるかな。と、ずっと話が続く。

女子オタクは女子だけあっておしゃべりなのだ。

最近はイベント前日に夜っぴてミシンをかけることはなくなったが、キーボードの音、プリンターの音、カッティングマシンの音、で一日中賑やかなのは変わらない。

今日は世が明ける頃から準備する音やちょっと高揚したおしゃべりが聞こえてきた。そしてカートの車輪の音がして、「行ってきます!」と春コミに出陣だ。

やれやれ、これでちょっと一息なのだが、すぐにまた次のイベントの準備が始まるので静かな日々は続かない。

そして母親の私は今日はゲラチェックを終わらせ原稿を少しでも進めなくては 。。。

小学生だったころ次女が「は将来、絶対に締め切りがある仕事にはつかない」と宣言していたが今や三人で締め切りに追われる日々やだなーとにやっとしている。