「水ぼうそうキャンディー」だけで盛り上がらずに・・・

ユーラ・ビスの本は地味だけど、すごくいいので読んでほしい。言いたいのはこれに尽きる。それですべてなんだけど。

 

子どもができて考えた、ワクチンと命のこと。

子どもができて考えた、ワクチンと命のこと。

 

 この本の抜粋を載せた記事

https://joshi-spa.jp/855232

 

に反応して、「水ぼうそうキャンディーとか言語道断」みたいなコメントを多数見かける。素直な反応なんだろうけど、ワクチンに関してはこれだと困る。

感染症予防には集団免疫というものがすごく重要なので、ワクチンは嫌だという人にも考えなおしてもらわないとならない。同じ免疫なんだから自家製の水疱瘡キャンディーで済ませたいという人にも、なぜそれじゃダメなのか考えてもらわないとならない。こどもに余計な苦しみを味合わせないというのももちろんだし、主義主張が違うということで切って捨てたりできないから、ワクチン肯定したい人たちは苦労している。そこのところを理解してほしい。

ユーラビスの本のAmazonページを見に行くと、

「この本を見た後に買った本」の中に「ワクチン不要論」が混ざっていたりする。私が以前見に行った時にはもっと顕著で、ほぼ全員がこの本を見てから反ワクチン本を買っていた。

「子どもができて考えたワクチンと命のこと」という題名で、きっとワクチンがすごく危険だということに気が付いたという本なんだろうと思って見に来た人たちだったのではないかと考えている。(「反ワクチン運動の真実」のほうはそういうことはない)

 

なぜ、そういう本なら読みたいと思ったのだろう・・・たぶん不安だからだ。不安なら、お医者さんや保健師に相談するなり、ワクチンを解説している本を読めばいいじゃないかと思うだろうが、「不安である自分を認めて、不安ゆえに決めたことも認めてほしい」のだろう。だから、もう一冊、ワクチンは危険と言う本を読んだり、そういう体験談を読んで、自分は間違っていない、自分が不安を感じてこういう選択をしたことは間違っていないと確認したくなってしまうのだ。

 

そういう人はこの本を読んだらいいと思うのだけど、自分は不安だということも認めたくないのかもしれない。「そうよ、ほらやっぱり!」と盛り上がりたいんだろうなあ

 

だから「水疱瘡キャンディーっていいアイディア!だって手作りだもん」と盛り上がってしまっている人をネタに盛り上がるのは、あんまり役に立たない。せめてこの本を読んで、じっくり考えて見てほしい。

 

「反ワクチンと反資本主義の混線」

「健康格差」

「私たちはみな拡大家族である」など、現代社会を改めて考えるためのヒントもたくさんある。

私はワクチンについてもう十分考えてきたと考えていたが、この本を改めて読んで(原書は読んでいた)またいろいろと考えている。

 

否定しようのない事実として、私たちは共同体に依存して生きているのだ。