ロリコンかと思いきや、結構いい世界観だった

 

Shade City: A Dante Butcher Novel (English Edition)

Shade City: A Dante Butcher Novel (English Edition)

 

 舞台がロサンゼルスで、俺はヒップスターと呼ばれてるという出だし、クラブ、音楽、ダンス、酒、麻薬という小道具で、主人公になかなか共感できなかったんだけど、中盤に謎解きが始まってからがぜん面白くなって、続編希望という感じになってしまった。これがシリーズ1冊目なので、舞台がマイアミの旧シリーズを読んでみようと思ってる。

作品世界の設定では、諦めきれない死者の霊は、生き返って聖者の暮らしを続けたいと「亡霊」となって生者に憑りつく。並みの亡霊だと憑りつかれても短期間で終わるが、強力なものは、身体を乗っ取り数百年代々憑りつき続けたりする。

 

主人公は人に憑りついている亡霊がわかる。偶然古時計に憑りついている12歳の少女バイオレット(実は無理心中の犠牲者112歳のビオラ)の亡霊と知り合い、ホワイトセージの煙を使う浄霊の方法を覚えて、ゲリラ的に勝手に浄霊してまわっている。

 

人に憑りついていないとき、亡霊は古いロサンゼルスダウンタウンの影のような街にいる。ロイヤルと呼ばれる古くて強力な亡霊たちは、生者の世界で結構なビジネスを続けていて、悪辣でタフで恐ろしい。

だんだんそうした仕組みを知っていく主人公はどうやってこの連中と対峙していくのか。ゴスロリ少女の姿のバイオレットは12歳で死んだ後も様々な経験を重ねているのに

成長しない。ロリコンラインになるのかと危惧したけど、そうでもなく、シリーズとして読んでいこうと思っている。