ヒューマニスト/フリーシンカー/スケプティック

トンデモやインチキのデバンキングをすることが多い私は、スケプティック(科学的懐疑主義者)だ。日本ではそう表明しても何を言っているのかという感じだから、あまり言うことがないのだけど、海外向けには立場表明として仲間を見つけやすい。

科学とエビデンスとファクトを基礎に、神話や迷信を疑って考えることの矛先はもちろん様々な宗教にも向くから、スケプティックには唯一神への信仰がない人も多い。「無神論」というと、ドーキンスのように宗教にはデメリットしかないというような態度を指すので、セキュラー(世俗)という言葉を使ったり、フリーシンカー(自由思想家)と名乗ったりする人も多い。人間の上に神を置かないということで、ヒューマニストをつかうこともある。

 

日本は世界の非宗教的な人々にとって憧れの世俗国なので、ピンとこない人が大半だろうけど、例えば、イスラム教を信仰する人が大半の国でも、少数、宗教に疑問をもって、信じたくないと考える人はいるわけで、それを公言する人たちもいるということだ。で、ニセ科学批判をするような人はかなりの確率でフリーシンカーだ。

そういうことで、しばらく前に東京在住の外国人フリーシンカーを通じてフィリピンのフリーシンカーと知り合った。

東京大好きでしょっちゅう遊びに来ている若い気のいい二人だけど、今回は「ハローヒューマニスト」という動画を取りたいというので、ちょこっと出演。

 

アジアに限らず、宗教が道徳と強く結びついて、生活全般にいつも影響を与えている国が多い中で、日本の状態を説明するのは難しく、またチャンスをもらえたらいいなあと、今頃思っていたりするわけだが、日本は宗教について無知でいれば影響されずにうまくやれるという考える人が多くて、これはこれで大変危なっかしい。フィリピンのようにカトリック国で、離婚も同性婚も中絶も性教育もできないとなると、問題がわかりやすいけど、世俗国なのに性教育ができないとか、同性婚がアリエナイとかなると、それを阻んでいるものの正体が見えにくくて、宗教と無関係の道徳というものの不気味さを改めて感じたりもしている。

 

その辺を考え続けるためにも、外国のフリーシンカーたちとの交流は続けていきたい。