スキンケア

およそ化粧と縁がない人生を送ってきた。いや、まったく縁がないわけではなくて、少し生活に余裕が出てきたころ、美容と言うものにもっと時間とお金をかけた方がいいのではないかと思って、化粧品をそろえて定期購入したり、フェイシャルケアに通ってみたりもしたことは、数回あるのだ。ある程度の心地よさはあった。だけど、自分に投資してる満足感とか楽しさにはつながらなくて、気に入った石鹸で洗顔するあたりに戻ってしまっていた。

 

ところが、これも特に大したことがないと思っていた還暦を過ぎて数か月、鏡を見て、はじめてのショックを受けてしまった。上唇の上、鼻の下エリアに縦皺が。ほうれい線に沿って縮緬皺が。いわゆるお婆さん顔ではないか! 

 

 髪を染めるのもやめて半白髪になっているし、杖をついているから、子供達にはお婆ちゃんと呼びかけられているし、年を取ってきたなと言う自覚はあった。脳卒中片麻痺になって、一足飛びに高齢者の世界に入ることになって、亡き父が年を取る悲しみを切々と語っているのを聞ききながら、そういうものだよねえ、お父さんは元気だったから80代になってようやく実感してるのねえなどと考えていたくらいだった。

 

それなのにこの皺は許せなかった。こんなにショックを受けると思わなかったが、何とかしなければとはじめて真剣にスキンケアを始めたのである。

 

今まで学んできた知識の中から皮膚に関するものを思い出して、基本は保湿と保護、高い年齢肌向け化粧品よりも毎日まめにだよな。と、方針は決まった。

 

片手での洗顔が若干やりにくいので、洗顔シートなども試して、ふき取り化粧水とオールインワン保湿ジェルを一つ二つ試して朝夕2回。もちろん皺は消えないけれど、若干ふっくらつややかな感じが戻ってきた。

 

またこれも人生はじめて、この化粧水と保湿クリームが気に入って使うのが楽しいという気持ちになっている。ちふれもさっぱりしてて、いいんだけど、使い切ったらナリスのジェルもあるみたいだから使ってみようかななどと、ほんと、女性ならではの楽しみというやつを体験中なのである。

 

ファンデやBBクリームなども買ってみたりしているのだけど、夏は汗っかきで化粧が崩れるどころの騒ぎではないので、日焼け止めのみのすっぴんが続くだろうなあ。