誰が悪いわけではないが

コロナの後遺症は、実は娘にも出ているらしく、疲れて何も出来ないと嘆いている。生真面目なので、自分を責めてるようだけど、多分コロナのせいだと思う。そんなわけで、事務所の引っ越し準備が一向に進まないのだが、とりあえず少しは前に進めようと、IKEAの家具のリサイクルを申し込んだ。

 その準備に、作業には対して役に立たないのだが、作業の立ち会いということで久々に事務所に。

 ちょうど台風がやってきているところなので、ずっとカラカラだった空が一変して、通り雨が降る。雨の切れ目を狙って、ぴょこぴょこ歩いてバス停に向かい、いつものバスに乗る。無料乗車票にもなってるスイカを忘れてきたことに気がついたが、事務所から小銭入れを回収してきたので、それで乗る。

家までは、途中乗り換えなのだが、これが間髪入れずにバスが来ることもあれば、15分以上待たされることもある。

 事務所を借りた頃には、立派な屋根付きの停留所だったのだが、その後歩道の工事が始まって、撤去されてしまい、いまだに復活していない。そこで「今日は接続が悪そうだなと待っていると、乗ってきたのと同じ路線の次のバスが来た。そして、もう一台来て、ようやく乗り換え路線のが来たと思ったら、家のそばまで行かない行き先が微妙に違うバスだった。

前回、よく見ずにこれに乗ってしまって、失敗したので、今回はちゃんと見送る。次には狙いのバスが来るだろうと大人らしくゆったりと構えてみせる。

幸い次の驟雨は来なかったが、熱中症警報が出ていた町に雨が降って、多少気温は下がったものの、サウナ状態で、喉は渇くは、お腹は空くはのところへ、付近の食堂から任意区や醤油の匂いが流れてくる。

これがあるから、家の近所に事務所を引っ越そうと思ったのだった。今度は、少し頑張れば歩いて帰れる。私の足だと1時間かかってしまうかもしれないが、それでもバス乗り継ぎと同じくらいだ。そんなことを考えていると、ようやくバスが来た!が、これも行き先がさっきと同じ、家の方に行かないバスだった。

 

さすがに大人の余裕も、失われて、へたり込んでしまいたくなった。これは呪いか何かか? と、目の前に救いのタクシーが。雨が止んで、空車がどっと増えたタイミングだったらしい。

 

引っ越しをもうちょい頑張れば、この乗り継ぎともサヨナラだ。ふうっといくらか涼しい風が吹いてきて、60半ばの女一人、よろよろと家に向かったのだった。