ああ、すれ違い

前回、髪を切ったときに、ゴールデンウィーク明けには来てくださいねと言われたのに、結局行かなかった。梅雨明けも近くなって、まだ明けてもいないのに猛暑の日々になって、これは放置できないとさすがの私も思うぐらいのもしゃもしゃの襟足になってしまって、えいやっと予約を入れて、美容院へ。

 駅前でちょっと遠いのだが、ようやく私の髪のクセを把握してくれる美容師さんがいて、店内に段差がない店を見つけたのだ。ここに至るまで、美容院ジプシーだったので、かなり嬉しい。身体障害者になってから、とにかく、初めての場所が苦手になってしまったのだが、それでもあちこち行ってしまっていたぐらい、美容院探しは難しい。

 

ということで、髪もさっぱり短くなって、気分が良いし、あんまり暑いから、ファミレスで冷たいものでも食べようかなと窓から覗いてみたが、やっぱり暑すぎるので、帰ろうと帰って来ちゃったのだった。派手に宣伝ポスターでもあったら、入っていたかもしれないが、「糖質控えようね」という主治医の顔もちらっと浮かんだ。

 

明けて翌日、午前中リハビリを終えて、思いついて、最近通う日がずれて会えなくなったリハビリ友に電話をした。彼女の方が少し年上だが、若手片麻痺仲間の一人で、数少ないご近所の友達の一人だ。

 

「ねえ、昨日、2時過ぎに駅前にいなかった?」といきなり聞かれた。

「え、いたけど」

「私ねえ、用事が終わって娘とファミレスでお茶してたんで、ナカイさんかと思ったんだけど、髪がすっきりショートだったんで人違いかなあと思って」

「うわー、入れば良かった!」

「やっぱりそうだった? 声かければ良かった」

と、すれ違い劇を演じてしまったおばさんたちは、残念残念と、再開を約束したのだった。だが車椅子ユーザー同士、これがなかなか難しくて、返す返すも惜しいことをしてしまったのであった。

 

夢で会いましょう

亡き両親の夢を見た。

懐かしく嬉しかったという、人様のエッセイを読むことも多いのだが、母は相変わらずマイペースで、えらく元気だし、父は心配そうな顔をして、なぜ自分に相談しなかったと説教を始めるので、夢の中の私は全エネルギーを集めて「自分でやってみたかったのだ」と反論していた。そうしたら、母がプンプンし出して、「それは私のお金なんだから、勝手に使わないでちょうだい、まず感謝して、それから返してちょうだい」という。確かに母の遺産は有り難く使わせていただいているけど、夢の中とは言え、結構理不尽だ。

 コロナのこともあって、しばらくお墓参りしていないのを私が気に病んでいたのが原因だろうか?

 

郊外の実家その一は弟が継いでいるが、都心の実家その2は次女が使わせてもらっているので、お仏壇にお線香を上げるように頼んでおこう。

 

母のあの剣幕だと、お盆の夢に出てきた時には、手に負えないかもしれないから。

暑い 寒い

週2回リハビリでジムでやるような運動をしてる。

 

若いスタッフのY君が、運動不足だからチョコザップに行くかなあなどと言ったもんで、スタッフも私のような古株も思わず笑い出してしまったのだが、高齢者用に負荷をかなり軽く出来るマシンではあるのだが、やってることは町のジムと変わらない。

「ここでやれば良いでしょ」と突っ込まれていたY君は、ジムの会員になっても結局やらないタイプだとみんな知っている。

 

まあ、そこで運動すると、汗かきの私は軽く汗ばむ程度どころではなく、毎度汗まみれになるので、ひどく目立つし、心配されてしまうこともある。

 が、我が家では私は一番汗をかかない人だったりする。一番すごいのは夫で、Tシャツの色が変わるほどぐっしょりと汗をかく人だった。過去形なのは、飲みすぎて肝臓を悪くして、体調を崩してから、やたらと寒がるようになってしまったからだ。

 夫が暑がりだったころから、寝室の室温はいろいろと問題だった。昭和の男だから、夏もクーラーより扇風機で、習慣でクーラーも途中で消してしまう(昭和的な常識では一晩中クーラーつけっぱなしとかあり得ないのだ。私は逆に扇風機がついているのが苦手でやめて欲しかったけど、まだ若くて体力もあったから、寝てしまえばこっちのものだと乗り切ってきてしまった。昭和の女はつい私さえ我慢すればと思ってしまっていたのだ。

体調を崩してから寒がりになった夫は、相変わらずのマイペースぶりで、せっかく私が部屋を涼しくしておいても、すぐにクーラーを消して部屋のドアを開け、下手をすると窓も開けちゃう。夫が快適なようにしてあげたいとは思っていても、さすがに60代の身体には暑さが堪える。

 私にいろいろ言われると食欲がなくなるほど落ち込むというし、普通に言ったことは驚くほど聞こえていないので、言うタイミングが非常に難しいのだが、娘たちの応援もあって(女房の言うことより、娘の言うことは聞くのだ)なんとか昨晩は一晩クーラーを付けておけた。おやまあ、今日は全然昼間眠くない。体調も良い感じだ。

 

 なんだ、こんなことだったのか!となんだか、がっくりきてる本日である。

 

 

 

fukunomo(フクノモ)

福島のお酒とおつまみのセットが毎月届く、フクノモというサブスクをしている。

 

www.f-sake.com

おつまみがかなりたっぷり届くので、これが届くと、おうち居酒屋で晩ご飯の代わりにするのが楽しい。

今日はパリッパリの県外にはなかなか出ないキュウリと、フキノトウの浅漬け(かな? とにかくフキノトウ。)ピザ、ソーセージ。先月のおつまみも参加させて、お酒は、味わう程度だけど、毎月、上等な純米酒を味わっているので、贅沢だなあと思ったり。

 

日曜の幸せであるわ。

 

 

やれやれ

ずっと元気で一人暮らしを続けてきた義母から、繰り返し相談が来るようになり、とうとう、心臓がバクバクして死んじゃうかもと電話が来た。

 以前から、ケアマネをつけたらどうですかと区のサービスの利用を勧めてきたのだが、何度説明してもまだそこまで行っていないと断固拒否されてきたので、ここで警備会社の緊急通報システムはどうですか?と勧めると、ちょっと気持ちが動いたらしい。

 警備会社のシステムも結構手頃な値段になっていて、このくらいなら私も負担できる。だがそれなら、区の見守りサービスを勧めたいと、義母の区の地域包括センターに電話したら、区内の高齢者にこの緊急通報システムを提供しているというではないか!

これだと思って、地域包括の担当者に契約と説明をお願いした。

 タイミング良く、翌々日の夕方なら行けるというので、夫実家の前で待ち合わせることにした。

 次の日もまた脈が速くなったと電話してきた義母。地域包括担当者はサバサバした女性で、高齢者とのやりとりにも慣れていて(経験上、包括の担当者は優秀な人が多い)、義母の悩みの種の一つの怪しい電話対策も教えてくれたりして、通報システムの契約が終わった頃には、義母もすっかり安心して、困ったら地域包括に電話をするというまでになっていた。

 正直、一番ほっとしたのは私だ。

 一人暮らしの高齢者はどの自治体でも最重要課題の一つで、豊富なサービスと支援策が用意されている。働く女性で(義母は看護師だった)区税を払い続けてきたのだから、利用しなければもったいない。車椅子利用者の私や、健康上の爆弾を抱えている夫よりもいざというときに頼りになるのは、自治体だ。

 乗り気ではない義母を区のサービスに繋ぐのが数年来の課題だっただけに、ようやく肩の荷の一つが下りた。

  

新刊プロモ

イラストで見るゴーストの歴史、6月23日発売ということで、今日はプロモーション用の録音。業界歴はそれなりに長いけど、こういうのは初めてだったりするので、かなり緊張しました。

 

怖い怖い怪談集じゃなくて文化史だけど、正直なところすごく面白いので、ぜひ読んで欲しい。訳し終わって、「日本にはもっとたくさん怖い幽霊がいる!」と、話したくて溜まらなくなる本でした。

 

前作のUFOの歴史と重なってくる部分もけっこうあるので、両方読むと、さらに興味深いです。この辺はまた書くなり、話すなりします。

介護デイケアのお友達。

50代で倒れたので、脳卒中特例(特定疾患に限って40代から使える)で介護保険を使うようになってもう11年。最初はいきなり高齢者の世界に放り込まれてそれがショックだったけど、気がつけば、そろそろ相応しい年齢になってきている。

同じリハビリデイケアに通うTさんは、出合った頃「私もう82よ」が口癖だったが、最近「私、いつの間にか90よ」が口癖になった。Tさんは、亡くなった母と同い年なので、そのたびに「あー、母も生きていれば90か」と思ったりもする。と同時に、いつかお別れが来るのだなあと思ったりして、少し寂しくなる。比較的元気な人が多いのだが、やっぱり90代は会えなくなる人が多い。会えなくなってしまった人のことは一瞬話題に上るけど、「こなくなっちゃったのね」で終わることが多い。詳しく知ればさみしくなるばかりだからだろう。

 Nさんは、職人だったけど、手に障害が出てしまって、通ってくるようになった。ボーイスカウト活動をしていたそうで、一応ガールスカウトリーダーだった私には野営の思い出話とかできる相手だ。男性には珍しいコミュニケーション上手な人だと思っていたけど、ボーイスカウトのおかげなのかも。隣の席になることが多くて、彼に会うのも楽しみだ。

 

 「若手」の70代以下は、少数派でもあり、不思議な連帯感が生まれる。身体障害の程度も重いから、なかなか自由行動が難しいけど、今度お茶飲もうねと約束だけは繰り返している。彼女らとはずっと長い付き合いになっていくのだろうなあ。

 週2回会ってる彼ら彼女らがいるので、75になったら仕事辞めて、通所回数増やしてすごそうかななんて思ったりもするようになってきた。

 

高齢者施設にも良い出会いがある。