やれやれ

ずっと元気で一人暮らしを続けてきた義母から、繰り返し相談が来るようになり、とうとう、心臓がバクバクして死んじゃうかもと電話が来た。

 以前から、ケアマネをつけたらどうですかと区のサービスの利用を勧めてきたのだが、何度説明してもまだそこまで行っていないと断固拒否されてきたので、ここで警備会社の緊急通報システムはどうですか?と勧めると、ちょっと気持ちが動いたらしい。

 警備会社のシステムも結構手頃な値段になっていて、このくらいなら私も負担できる。だがそれなら、区の見守りサービスを勧めたいと、義母の区の地域包括センターに電話したら、区内の高齢者にこの緊急通報システムを提供しているというではないか!

これだと思って、地域包括の担当者に契約と説明をお願いした。

 タイミング良く、翌々日の夕方なら行けるというので、夫実家の前で待ち合わせることにした。

 次の日もまた脈が速くなったと電話してきた義母。地域包括担当者はサバサバした女性で、高齢者とのやりとりにも慣れていて(経験上、包括の担当者は優秀な人が多い)、義母の悩みの種の一つの怪しい電話対策も教えてくれたりして、通報システムの契約が終わった頃には、義母もすっかり安心して、困ったら地域包括に電話をするというまでになっていた。

 正直、一番ほっとしたのは私だ。

 一人暮らしの高齢者はどの自治体でも最重要課題の一つで、豊富なサービスと支援策が用意されている。働く女性で(義母は看護師だった)区税を払い続けてきたのだから、利用しなければもったいない。車椅子利用者の私や、健康上の爆弾を抱えている夫よりもいざというときに頼りになるのは、自治体だ。

 乗り気ではない義母を区のサービスに繋ぐのが数年来の課題だっただけに、ようやく肩の荷の一つが下りた。